僕を見てて司はとある日、夜鷹純を見つけた。何だか雰囲気が前と違う気がして司は酷く気になる。
(……何か存在が薄い?いやでも私が知ってる夜鷹純って映像で見たスケートしてるやつと、直に会った二回。あとは何故だかあったビデオ通話一回。個人的に凄く知ってるわけじゃない。殆どファンの域のまま。でもそんな私にもわかるくらいには、違う)
「夜鷹さん!」
呼びかけに振り返った純はやはり司には違和感が拭えなかった。
「……君か。なに」
「えっと、あの、夜鷹さん、は……ここで何を?」
純が狼嵜光のクラブ移籍に伴い活動拠点を東京にしていることを司は知っていた。そのため出た質問だったが純はアッサリと答えた。
「なにも」
「え?……狼嵜選手はどうされたんですか?」
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