恋人たちの営業トーク燐ニキの場合
「僕がまるまる一個もらっちゃっていいんすか⁉　うわぁい、ありがとうございます！　いっただきま〜す！　ん〜っ、みずみずしくて美味しいっす！　果肉が甘くてトロットロで、僕までとろけちゃいそう……って、なんで燐音くん顔赤くしてるんすか」

一燐の場合
「……昔、兄さんがこうやって木の実を半分に分けてくれたことがあったね。幼い僕の身長ではどうしても高い枝に手が届かなくて、木登りもまだ兄さんみたいに上手にできなかったから。僕が諦めるしかなかった最後の木の実を、兄さんは分け与えてくれた。兄さんは最初、丸ごと一個僕にくれようとしたんだけど、僕が兄さんに無理を言って半分こにしたんだ。今日みたいに。今はもうどんな高い枝にも手が届くし、狩りだって一人でできるけど──兄さんと過ごしたあの日々が、僕はときどき無性に恋しくなるんだよ」

【abo】《燐音君不愿与我结番》（第一章）NO.0{燐音君、和我的事说来话长}
我成为椎名先生的助理大概也有半年时间了。
这段时间过得真快啊，椎名先生肩侧的马尾辫也又长了一小截呢。
有时候，为了方便在厨房工作，椎名先生会用发夹把发辫胡乱夹到脑后。当然用那幅太过随意的样子工作的话，下班常会在意见留言册上发现“丹希你这混蛋好歹也是个偶像啊”、“拜托你也稍微注意一些形象吧”、“别再诱惑人了，混蛋”之类的抱怨。不过现在这种“投诉”大概已经看不到了吧。
那也是令人怀念的光景啊。
不过哪怕有再多不舍，现在也差不多到了我要辞去这份工作时候了……
啊，抱歉！
如果要讲故事把这种事放在开头多少有些唐突吧，所以果然还是从头开始讲我与椎名先生认识的始末比较好吧。
椎名先生是一名在役偶像，也是一名厨艺人，最后……是一名omega男性。