絵文字の日『🍚+🍅+🥚+🍳』
アルバートから謎のメッセージか送られてきた。
「なんだこれ?」
またメッセージが来る。
『🐻❄️🍧』
ん~? 熊とかき氷? 謎かけか? アイツ暇なのかな。確かに在宅勤務だし何してようと勝手だけどさ。
『😩。oO(🍙🍕🍟🍣🍭🍮)』
ダメだ。今度こそ訳わからん。
「な~チャンドラ。これなんだと思う?」
そうそうに考える事をやめ、隣にいるチャンドラに画面を見せる。
「何だよ? …絵文字? 暗号文か?」
それにしてはポップだが。
「あれじゃない? 今日は何の日シリーズ」
あぁなるほど。調べてみれば確かに今日は絵文字の日らしい。
「けど、その絵文字の意味がわからん」
『🏘←🚗³₃🙏💕』
また届く。だから何だよ!
「今のはわかったぞ」
「何?」
「多分だけど『早く帰ってきて欲しい』じゃない?」
あ~、う~ん。そう言われれば、そうか?
「その前は?」
「ええ? 考えろよ自分で」
食い物がいっぱいで、悲しそうな顔だから…
「腹減ったとか?」
それっポイなとチャンドラも頷く。
その前は熊とかき氷だから。ふと先日出先で食べたかき氷がよぎる。かき氷にフルーツとかが乗ってたヤツ。アルバートがたいそう気に入ってたな。
「白熊かき氷か!」
今日のデザートという事か? ならその前は晩飯か。
「米とトマトと玉子を焼く…?」
脳内のキッチンに材料を並べてみる。
………
「わかった! オムライスだ!」
「お宅の晩飯?」
「多分な。今日はオムライスでデザートにかき氷用意してて、腹が減ったから早く帰ってきて欲しい、てとこか?」
「相変わらずラブラブな事で」
呆れ顔のチャンドラが、シッシッと手を振る。
「もう定時なんだからさっさと帰れよ」
「わーってるよ。じゃあな。お疲れ様」
お疲れ様でーす。とそこかしこで挨拶を返されるのに手を上げ返した。
「ただいまー」
予想は正解のようで、いい匂いがする。
「おかえりなさい。アーノルド」
エプロン姿で出迎えてくれたアルバートに一応文句を言ってやる。
「何だよあの絵文字。めっちゃ考えたわ」
「解りにくかったですか?」
正直にチャンドラに助けて貰ったことを白状すれば楽しそうに笑い声をあげる。
「絵文字の日だと見てしまったので、つい。けど僕も考えるのに苦労しましたよ」
確かにな。そりゃそうか。
「脳トレに丁度いいので、軍の方にも進言してみますね」
「やめてくれ」
仕事でもあんなの出たら俺はお手上げだ。
後日、本当に休憩室に脳トレと称しプリントが置かれていた。