【🐉🏹】雨の日のこと雨の日のこと
スコールというのは上昇気流が上空で急激に冷やされることでできるらしい。龍水は大きい声をさらに張り上げて僕に教えた。
庇の下まで走って、すっかり色の変わった服を絞るとびたびたと音を立てて水が跳ねた。
「貴様も脱いでおけ。止むまで作業は中止だ」
こんな世界になる前の夏休みを彷彿とさせて、僕の心はどこか高揚していた。それは龍水も同じだったみたいで、いつもより無邪気に笑っていたと思う。
決して肌触りの良くない布で体を拭って、ごわごわの髪に、赤くなった肌に、大して面白くないことで声を出して笑った。
浮かれていたんだ。今だけは責任という重荷から解放されて、地面を叩きつける雨の音と湿った匂いのする二人きりの空間で。だから龍水の熱い指が僕の髪を撫であげても拒まなかった。ゆっくりと肌を滑る掌に期待して、お互いの息を探り合うように近づいた。
434