『ティータイム』 科学王国の人たちは皆一様によく働く。狩りをする人も見張りをする人も、ラボに籠る人も、役割は違えど働き者という意味では同じだった。サボり癖があるとしばしば言われる銀狼も、なんだかんだで引っ張られて役目を果たしている気がする。自分のやっている仕事が終われば、終わっていない人たちに声をかけて手を貸し、また仕事をする。日が沈むまでにその日やるべきことを終わらせて、夜になったら食事をとって、団欒を過ごしてよく眠る。翌日の仕事に備えるためだ。
科学王国の人たちは皆一様によく働く。龍水は、そういう働き者たちに比べるとずいぶん遊んでいる。少なくとも自分ではそう思っていた。するべき仕事はするのだが、とにかく娯楽が好きだ。仕事の合間にもちょっとした娯楽が欲しいし、なんなら仕事と娯楽の境界線があいまいになることすらある。天気がよければ外に遊びにいきたい、雨が降ればボードゲームに興じたい、翌日が休息日ならば寝るのを忘れて楽しみたい。不規則な生活が続けばフランソワの小言が待っているので程々にするが、それでも大目に見てくれる日はある。
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