恋の熱『…き、とどろき…っ!』
あ、ああ、どうした?と言いながら俺は肉の焼ける匂いに驚き慌てて手を離す。
『悪ぃ、また火傷させちまった』
ンなくらい平気だわという爆豪の手を取り俺の右手をピッタリ合わせ、赤みが引くまでじっくりと冷やす。
(ああ、またやっちまった)
こんな風に爆豪に火傷を負わせてしまうようになってもう数日が経過している。ことの発端は仮免補講帰りに遭遇した個性事故、俺が掛かったのは好きな奴に対してのみ個性がノーコンになっちまうという地味に面倒な個性。その説明を先生から受けた時は、
『特に好きな奴なんかいねぇから大丈夫だと思います』
そう答えたのに蓋を開けてみると爆豪を焼いたり冷やしたりの連続で、マジか、ってことは俺って爆豪のこと好きだったのか、
1915