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    eikokurobin

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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/仮免補講中

    #轟爆
    bombardment

    侵入者 爆豪、マジで眠たそうだな、と思ったその数分後、本当に眠り出した爆豪が誰かに凭れ掛かる前にさり気なくソファの隣に座り、軽く俺の方に引き寄せる。その日の仮免補講は空中戦を想定した訓練で、飛ぶ手段を持たない俺はかなり爆豪にサポートしてもらった、

    だからだろう、帰寮後一緒に風呂に入った時から爆豪は無口、普段の悪態もないまま晩飯を食べ、俺は半分目を閉じた爆豪も可愛いなとか、意外と食べる仕草が綺麗だなとか、色々と新しい発見をしてドキドキする。これが女子が言う可愛いって奴だろうか、そして可愛いものを見ると、人はこんなにもドキドキするのか。

    そう微笑ましく思っていたのに、トレンディドラマとやらが始まるからとリビングにクラスメートが集まりだすと、また別の感情が湧いてくる。焦るようなこの感覚、これは焦燥という奴で、なぜこんなにソワソワしているのかを自己分析した結果、今度はこの可愛い爆豪を誰にも取られたくないのだという結論に達する。

    例えば切島、彼は爆豪と部屋も隣同士で仲が良い。親切な彼のことだ、こんなトロンとした爆豪を見たら部屋まで送っていくといって連れて行ってしまうだろう。それは嫌だ、だってもっと爆豪の顔を見ていたいんだ。それから、

    『あれ、爆豪くん寝とる?』

    『かっちゃん、寝顔だけは天使だもんなぁ』

    そんなに見ちゃダメだ、これは俺のものだから…いや、まだ俺のものじゃねぇけれどいずれは俺のものにしたいもので、でもどうやって爆豪を俺のものに出来るんだ?

    そう思った時にはもう、爆豪を抱き抱えて立ち上がり、驚いた顔をするクラスメートには、爆豪部屋に連れて行くと言い残して俺はその場から爆豪を連れ去る。

    『お姫様抱っこや!』

    『イケメンがイケメン抱っこしてる!』

    姦しいお喋りを背中に浴びながらエレベーターの中に乗り込み、爆豪の部屋のある四階に移動し、爆豪の部屋まで連れ込んでベッドに寝かせ、もう暫く見ていたいから俺も隣に潜り込む。だって俺だって今日は凄く疲れたのだ、仮免補講中に爆豪から、

    『しっかり掴まってろ』

    と言われ、男にしては細い腰にしがみ付いている時や、ピッタリ引っ付いているゆえどうしても嗅いでしまう甘い匂いにクラクラした時に、グラリと揺らぐ自制心を保つのに精一杯だったのだから。

    そして今、再び同じ状況になってしまった。狭いシングルベッドで爆豪にピッタリ引っ付いていればどうしたって甘い匂いを嗅いでしまうし、普段着から溢れる肌は白くて柔らかくて大福のようだし、試しに腕を回した腰は、ヒーロースーツの装備がない分さらに細くて、そのくびれは巻き付くのに丁度いい、

    その全てが俺の身体に甘い痺れみたいなものを呼び覚まし、自然と硬くなった股間のモノが爆豪の身体に当たってしまう。

    (こんなことは初めてだ)

    誰かを見たり触れたりしているうちにこんな風になってしまうなんて。

    +++

    誰かが後ろから抱き付いている、と気が付いた瞬間蹴り飛ばそうと思ったけれど、

    『ばくごう…』

    と寝言で名前を呼ばれたもんだから、巻き付いている正体が解ってしまう。それが誰であれ蹴り飛ばすべきなのに、例えツラが良い奴だって例外なく蹴り飛ばすべきなのに、

    (出来ねぇ)

    それは、ひとつは物理的な問題で、単純に轟が馬鹿力なせい。蹴り飛ばすどころか、眠っているくせに長い手足でガッツリ巻き付いていて、1ミリも引き剥がせそうにない。その上背中に当たる硬いモノ、

    (コイツ、俺で興奮したのか)

    それをキモいと思えたらいいのに、その逆にドキドキしてしまう自分が嫌だ。早く抜けださねぇとヤベェ、そう思って藻がけば藻がくほど意図せず轟のモノを刺激してしまい、結果さらに硬くなったソレからいわゆる我慢汁みてぇなもんが染み出して俺のシャツを湿らせる。ちょ、冗談じゃねぇ、俺はベッドを汚されるのが嫌いなんだわ!そのだらしねェモンを握り潰すか爆破してやると下着の上から思い切り握り込んだところで、

    『爆豪?』

    と、今度は寝言じゃなくて、覚醒した轟から名前を呼ばれる。ちょ、違ぇ、これはテメェのモンが俺のベッドを汚す前に、

    『俺も爆豪のモノに触ってもいいか?スゲェ、爆豪のも立っているなんて嬉しいな』

    違ぇって!コレはただ、ただ…

    (ただ、何だ?)

    返す言葉が思いつかないまま、俺は轟のモノを握り込み、轟は俺のモノを握り込むという、誰がどう見ても誤解を招くような構図が出来上がってしまう。ダメだ、こういうことは恋人同士じゃねェとしちゃダメなヤツ、

    『爆豪が起きたら言おうと思ってたんだ、爆豪を俺のモンにしたい。俺だけの爆豪にしてぇ、それを何て表現すればいいかはさっきリビングのトレンディドラマで学習してきたところだ。誰かを見てドキドキするのは、こんな風に身体がなっちまうのは、相手のことを好きだからだって。

    爆豪、俺は爆豪のことー』

    好きだと言い終わる前に咄嗟にキスで塞いでしまったのは、まだ俺自身が認めたくなかったから。俺が誰かに惚れているなんて、ましてやコイツに惚れているなんて、そんなこと認めたくなかったのに、

    『爆豪からキスしてくれるなんて嬉しいな』

    だからそうじゃねェってのに、舌を入れるな、あぁ、コイツにキスされると頭ン中から馬鹿になっていっちまう。クソッ、どうしてくれんだっ!こんな感情、まだ俺のキャパオーバーだってのに、これ以上入り込んでくるなってのっ、

    『爆豪、口を開けてくれ』

    だからこじ開けようとするな、この馬鹿力め、こんなの無理だって、ああっ、そんなことされたら開いちまう、ずっと閉ざしてきたこの感情の扉が、まだ俺自身受け止めきれねぇかもしれねぇってのに、こじ開けやがって、コレどぉしてくれるんだっ、

    『爆豪も俺のこと好きだよな?』

    口ン中いっぱいにされて返事出来ねぇ時に確認してくるのやめろ、あーもう、何でこんな舐めプのクソ野郎なんかに惚れちまったんだ?

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    DONE轟爆ワンドロのお題「触れる」でハロパロ轟爆おにしょた。【熱に触れる】



    ふっ、と右腕に何かが触れた。

    途端、男の集中力が途切れる。文字を追っていた意識を膝上の紙面から引き剥がして、焦凍は軽く瞬いた。
    秀麗な面差しを彩る長い睫毛が、読書に没頭していた余韻を払拭するように、一度、二度、空気を奮わせる。次いで、読書を中断させた要因を探すべく、紅白に分かれた髪の合間から、オッドアイの視線を動かした。
    目線を流した先、ぱたん、ぱたん、と金糸雀色の尻尾を揺らしながら、画集に夢中になっている幼子の姿が目に入る。
    豪奢なソファの上。男の右側から拳ひとつ分の距離を開けた座面に深く腰かけながら、半年程前に拾い上げた人狼の子供が、一心不乱に色鮮やかな挿絵を眺めていた。
    紅玉の瞳が、画集の中で展開される見知らぬ光景を前に、キラキラと鉱石のように輝いている。滴る血潮よりも尚、吸血の渇きを誘発するその瞳に、すうっとオッドアイを眇めながら、だが焦凍は手を伸ばすことなく、静かに幼子の姿を見守るに留めた。
    ツンツンと跳ねる尾と同様の髪色の合間からは、黒褐色の獣耳が覗き、書物への好奇心を示すように、元気よくピンと前向きに立っている。尻尾は、恐らく内心の興奮が無意識に発 2521