See you in your dream.It's better not to meet.日が暮れてしまった。
たまたま。ちょっとおばあちゃんが道に迷ってたから。
少しくらいなら大丈夫って。まだ7月、日が長いと思ってたから。手を引っ張って目的地まで連れて行っただけだった。
もしもの時も懐中電灯も、今日は電池が切れてた。ついてないな…点かないライトとついてない私だ。
なんて思ってる場合じゃないな、お母さんに怒られちゃうや。お父さんも話を聞いてまた心配するんだろうな。
いつも通っているはずの森も何も見えない。動物はいるけれど、魔物は少ないから大丈夫。まっすぐさえ進めれば、10分くらい歩けば家に着く。何も見えないし20分くらいかかるかなあ。
感覚だけを頼りに歩く。落ち着いて、でもゆっくりしてられないな。きっと暗いのに帰ってこない!って色んな人に電話をかけてるのかも。そんなに心配しなくてもいいのに。
これは行きに見た石。まだ道なりに進めてる。
あれは昨日身長を測った木かな。裏には傷があるはず。
あ、ヘビの穴だ。昼の間に掘ったのかな。明日水でもかけてみよう。
何分歩いたんだろう?だいぶ歩いたはずなんだけど。何も見えないから自分の歩幅が小さくなってるのかな。疲れてきた。目も足も。1回座って休もうかな。三角座りで足を抱えて座る。眠たくなってきた。どうせもう怒られるのは確実だしちょっと寝ちゃってもいいかなあ。
犬の声が聞こえる。あと走る音。まあいいか。
誰かが私の名前を呼んでる?目を開けると明るかった。まさか朝まで寝ちゃってたんだ。名前を呼んでたのは目の前のぬいぐるみはわんちゃんかな。黒い柴犬みたいな見た目で黄色い目をしてる。
「きみが私を呼んでたの?」
『繝ォ繝シ繧キ繝シ』
「何を言ってるか分かんないよ」
『繝ォ繝シ繧キ繝シ諤ェ謌代@縺ヲ縺ェ縺シ』
「うーん?うん…」
『縺ゥ縺@縺ヲ縲∵凾髢灘ョ医i縺ェ縺九▲縺溘』
「怒ってる…?ごめんごめん、」
わんちゃんが私の上に乗ってくる。少し重たい。
『窶ヲ譌ゥ縺丞ョカ縺ォ蟶ー縺」縺ヲ縺企「ィ蜻ゅ↓蜈・繧九h縲りゥア縺ッ縺セ縺溘◎縺薙°繧』
「わかったよ…」
伸びをする。するとお腹がぐうとなった。
「ねえ…今日のご飯なに?」
ゆっくり目を開けてぬいぐるみの方を見る。ぬいぐるみは綿がはみ出て、右足が取れてた。
「繧キ繝√Η繝シ…だ…よ…」
お母さんの声がして、ついびっくりしてしまい目を開ける。まだ夢だったらしい。怒られるかと思った。
真っ暗だし何も見えないし左肩が重い。人の覆い被さってる感覚。鉄の臭いがする。身動きが取れない。
「重い…」
つい言葉が出る。
「…めん…ごめん」
なんて返ってくる、お母さんの声だ。さっきの声もお母さんだったのか。
抱きついて
「心配させてごめん…人助けしてたらさ…」
って、なんだろう、ドロってしてて手が黒くて視界が赤くなって
嫌な夢を見た。さすがに飛び起きてしまった。動悸がする。
おもむろにデジタル時計の頭を叩く。パッと明かりがつく。まだ3時。机の上のサングラスを手に取ってかける。少し視界が広がる。でもまだダメそう。
足音を潜めてキッチンに向かう。
水を飲んで。チョコでも食べて。落ち着いたらソファで寝ればいい。
ビールは…この時間から飲んだら明日に響くかもしれない。我慢かな。
それでも眠れなかったら…いや、起こすのは悪い。
まだ弱いなあ。羊を数えるのも今は難しい。
狼に襲われて減っていっちゃいそうだ。
なんて。