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    生存本望

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    生存本望

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    コバルの機械を作った「博士」と、その古き知り合いの「少女」の会話。

    #szhmoc
    #szhmoc_cobal

    コバルについて「アンタって本当に悪趣味よね」
    やや嘲笑するように、少女は博士に言った。
    「おやおや、こんなにも早く気付かれてしまうとは…、意外や意外。
     しかしながら、趣味の悪さで言えば貴女様も大概なものかと。」

    MIRA附属の医療施設に併設されている研究室。
    何やら調合をしているらしいタンの博士を、少し離れたスツールタイプ(背もたれの無い)椅子でローズの少女が眺めている。

    アンタの悪趣味さに勝てる奴なんて居ないわよ、とローズの少女は吐き捨てるように呟いてから、「で、どこまでやってんの?」と聞いた。
    「いえいえ、ワタクシが彼の者に施したのは、どちらもが自由に生きられる術。
     その条件にワタクシは ほんの少し遊び心を足したに過ぎず。」
    クククッと半分を包帯で隠したバイザーを細めて嗤うタン。

    「・・・そういえばアンタってそういう奴だったわね」
    呆れたように、或いは会話を放棄するように言って、椅子を回した。


    コバル。中途半端に寄生したインポスターと何故か共生する道を選んだ少年。
    タンの博士が手掛けた機器によって、本体とインポスターの意識を分離し寄生の制御まで行っているという話であった。
    しかし、左目に付けられた機器には殺傷能力のある高火力光線機能が付いている事実が判明した。
    コバル本体がそのことを知っているかは分からないが、なんともまあ、「同族側」に有利な機能を付け足したものだと他人事のように少女は目の前の博士を名乗る人物に感心した。

    その思考を知ってか知らずか、タンの博士はローズの目を見て嗤った。
    「・・・ワタクシはいつも、中立ですよ?」
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