酔っ払っていなくても(仮) 急に禁酒するのは無理だろうということで徐々に減らしていく作戦でそよりんに一缶ビールを渡した。そよりんは相当酷いアルコール依存症で飲み終わるとすぐにまたお酒を求め始めた。
「愛音ちゃん、もう少しだけお酒……」
そよりんはすっかり変わってしまった。多分、私のせいで。そよりんが別れたいと切り出してそれをしばらくしてから承諾して私が一人にさせたから。だから、私がそよりんをちゃんと元に戻さなきゃいけない。
「うん、わかったから。これでお終いね」
そよりんに口移しで飲ませるとゴクリと喉が鳴った。そうしてそよりんは満足気なふにゃふにゃした笑顔を見せてから、安心したように眠る。いつもそんな風にそよりんには笑顔でいてほしい。酔っ払っていなくても。
「今度は絶対一人にさせないからね」
そう呟いて眠っているそよりんの頭を撫でた。