プロローグ -芽吹き アイプリ。画面の向こうの、永遠の憧れ。
キラキラと輝くその人に、初めて見たその瞬間から虜になった。
憧れ、といっても、自分もというわけではなくて。ただ勝手に励まされて、背中を押されて。しっかり、真っ直ぐに立とうと思えた。
こちらが一方的に感謝しているだけ。貰ったものを返そうとしているだけ。
それは突然だった。
母のお下がりの古いPCが、エラーを起こすのは常だ。その日もそうだった。でもそれは、何かの間違いだなんてとんでもない、輝かしい奇跡。僕は、星に出会ってしまった。
アイプリバースデー。その名前は後から知った。その時は存在すら知らなくて、何か変なサイトにアクセスしてしまったのかと焦ったものだ。でもそんなことがどうでも良くなるくらい、その人は美しかった。長い髪を優雅に靡かせるその姿に一瞬で心を奪われた。目が離せなくなった。───そして、画面の向こうの彼女と、確かに目が合ったのだ。
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