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    棺(ひつぎ)

    @__qpidus

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    棺(ひつぎ)

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    #ドゥラカ
    #1ドロライ

    1ドロライお題「ドゥラカ」/私と叔父さんお題【ドゥラカ】

    「お前はいつまで経っても泣き虫だな」
    そう言った叔父さんは私の頭を撫でてくれた。朝が来る度に泣いている私を慰めてくれる。皆の前で堂々として泣き腫らした目は赤くてまるで朝日の様だと叔父さんは例えてくれた。自分の顔を見た事がないから本当か分からない。そもそも朝日は赤よりは橙よりなのでは?と疑問点を投げ掛けても良かったがやめた。そんな事よりも川に流れる水の如く涙が止まらない。一旦泣き止んだもののポンポンと頭を撫でられ続けていると情けなくて。弱い自分が認められない。もっと強くならなればと思うのに全然心が強くならない。泣き止むのはいつも朝餉が終わった頃だ。腹が満たされた事による安心感からきているのかもしれない。なら、常に腹が満ちていれば不安は拭えないだろうか?とも考えたが、それはそれで動き回る時に不具合が生じるのでこの案は生まれた瞬間に消去した。
    「そうだ。知っているか?」
    「何を?」
    朝餉が終わり、泣く事が落ち着いた私に叔父さんは面白い事を教えてくれるという。何だろう?と好奇心が疼く。知らない事を知る"知"は心が不思議と踊る。本から学ぶ事と同じ様に人から学ぶのも楽しい。
    「星座を知っているだろう?」
    「んと…北極星」
    「他には?」
    「知らない」
    星を見るのは好きだが詳しくは知らなかった。すると叔父さんは得意げに笑い頭を撫でてくれた。
    「お前は魚座だ。辛い事を思い出して泣き出す所が似ている」
    「?自分の生まれた星座って事?」
    内面と星座が似ている?そんな共通点があるなんて知らなかった。いや、叔父さんがまた私を励ます為の良い方の嘘かもしれない。本気にしちゃ駄目だ。
    「本当だ。ドゥラカの生まれた日が魚座とされる周期にあてはまっている」
    「あまり信じたくない、です」
    「ふふ…なら明日にでも占星術の本を見せてやろう。読めば信じるさ」
    「ふーん…」
    興味無さげに答えるが叔父さんは得意げな表情のままだった。もしかしたら本当に合ってたりするのかな?本の内容を知れば分かる事だ。これ以上考えるのは得策じゃない。
    「さぁ、昼餉まで仕事だ。籠を持ってきなさい。一緒に薬草を取りに行くぞ」
    「はい!」
    私は元気に返事をしてテントから籠を取りに向かう。採取場所から数種類にも及び刈り取った薬草を、村に戻って大布の上に並べて選別していく。知識に長けている叔父さんは、それを石曳きで潰し細かくしていく。数日間乾燥させれば完成。切り傷や擦り傷、痛み止め、腹下しなど調合してしまう。知を得て自らの力に変えてしまうというのを体現している姿だ。
    「凄い」
    「凄くはない。この本の通りに組み合わせて作ればらお前にも作れるさ。いつか教えてやろう」
    「やったぁ!」
    叔父さんから教えてもらう事柄が増えて嬉しい。沢山の知を身に付けたい。そして大人になった頃には今とは比べものにならない位に色んな事が長けている私となっているかもしれない。

    夕餉を終えて二人で寝そべると草の香りが鼻を擽る。
    「ここから魚座が観測出来たら良いんだが」
    叔父さんは残念そうな口調で空を見上げている。横目に見ていた私も釣られて視界に星を映した。キラキラとお金の様に輝く星は私の悲しみなど吹き飛ばしてくれるから夜は好き。ずっと夜ならどんなに嬉しいか。朝なんか来なければ良いのに。夜からお昼になって太陽が沈んで、また夜になったら私は悲しまなくて済むかもしれない。けれど朝、昼、夜とこの世はそう決められているからどうにもならないのが現実。
    「叔父さんの星座は?」
    「水瓶座だ」
    「みずがめ?」
    水にまつわる星座。瓶(かめ)に目の前を流れる川の水を汲んでこの村を潤してほしいなと願ってみる。もっとお金があれば、もっと豊かになれたら。
    「早く明日にならないかなぁ?」
    「朝を泣かずに迎えられたら早く来るかもな」
    と痛い所を突つかれてしまう。本当はもう朝に泣きたくないのに心がまだ辛いから自然と流れてしまうんだ。一体、いつになれば泣かずに朝を迎えられるのだろう?
    暫くの間、星の話を話してくれた。占星術は遥か昔から存在していて人々の暮らす知恵になっていたらしい。何気なく見ている星にも星座が数え切れなくて、生まれては消える星もあって。少し興味が湧いてきたかもしれない夜だった。
    「さぁ、もう寝ようか」
    「有難う、叔父さん。また話を聞かせて!」
    また、という約束で生きる糧と例えて紡ぐ。北極星しか知らなかった私が幾つかの名前を覚えた。
    テントへ戻り布団を敷いて眠りについた。隣のテントに向かう叔父さんの姿が誇らしかった。

    翌日の朝、不思議と涙が流れる事は無かった。理由は分からない。そんな事よりも朝餉の後に叔父さんから借りた本を読み進めるとある事を発見した。
    「調べたよ!叔父さんの星座。奇抜な行動って所が似てる」
    昨夜の仕事場へ駆け足で本を片手に向かい、第一声は朝の挨拶すら忘れてしまっていた。
    「そんな行動取った覚えがないな」
    「前に生きる為ならどんな手段も厭わないって話してましたよね?」
    先日、ドゥラカを励ますのに自ら発言した言葉を引用されて困ってしまう。確かに生きる為ならば何を選択するか分からない。その時の状況に応じて優先していく。過去の行動も、そしてこの先もそうなる確率は高いだろう。
    「昨日のお返しで痛い所を突つかれたな」
    「えへへ、叔父さんにもお酒以外で弱い部分を見つけた」
    「全く…お前には勝てないな。儂に似ずに優秀な子どもだ」
    「叔父さんと似てなくて寂しい?」
    子どもながらの純粋な質問に言葉が詰まってしまう。血の繋がりがあるのだから少なからずに似て欲しいと願うのは罪だろうか?親子の関係でもない己がそれを望んではいけない。生きる為に同胞やこの子すら捨てかねない感情が渦巻いている存在には許されない感情だ。
    「まさか。父さんと母さんの素敵な所を受け継いでいる優しい子が儂になど似てるものか」
    本日1つ目の嘘をついた。今日の夜までにあと何回ドゥラカに嘘をついてしまうのだろう?願わくばこの一つであれば良い事を願う。

    2025/01/25
    魚座と水瓶座の一説に似ている箇所を見つけたので本作と重ねてみました。
    一人称:儂(違ってるかも)
    チ。のキャラクターに星座を組み合わせるのが楽しかったので今後も何かの折に。
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