藍宝石どあほうの雰囲気がいつもと違う。
「ルカワ、1on1しろ」
桜木がボールを脇にかかえオレと対面する。その目は鋭く、かと言って他意は感じず。たまには乗っかってやっても良いかと思っていたオレの口から零れ落ちたのは断る言葉。それはいつもの返答だった。
言った後で気付いたが否定するより先に桜木は静かに引き下がった。また突っかかってくるかと思ったのに今までと勝手が違う反応に戸惑った。その後桜木はちょうど部活に来ていた三井先輩に1on1をお願いして胸を借りていた。
驚いたのは桜木のその様。以前よりもテクニックやフォーム、フェイント等に磨きがかかっていて先輩を躱したり手こずらせたりしている。影で相当努力したのだろう桜木の思わぬペネトレイト向上に2人を眺めていた周りの部員もその一挙手一投足に目を見張っていた。
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