知ってるくせに。ガチャ。
部屋の扉をそっと開いてそして静かに閉じた。
ゆっくり音がでないようにそっとベッドまで近づく。
こんな夜中に男の部屋に踏み入れるのははしたないのは知ってる。けどどうしても彼の驚く顔が見たいから。
すうすうと寝息を立ててる彼は布団の中に埋もれて顔は見えないけど、それが自分の恋人であることは見えなくともわかった。
うふふと、レーナは小さく笑った。
彼が寝ているベッドの下際で掛けていた布団を持ち上げ、ベッドと布団の間に潜り込んだ。横向けで寝ている彼の隣にひょいと頭を出すレーナは空いていたシンの右腕を自ら自分の腰辺りに置いた。
なんか抱きしめられた気がして、嬉しい。
と素直に思ったレーナは少し嬉しくなって笑った。
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