無意識のうちに、こうなることを想定していたのかもしれない。
そう思いながら、僕の肩を押して、ベッドに押し倒した晨のにこやかな表情を見ていた。晨はいつだっていたいけに笑うな、なんて現実から遠く離れた感想を抱く。
何度断っても何度も「行きたい」と言われたから、晨を部屋に招いて、共に時間を過ごし、唐突に「眠い」と言い出した彼を寝室に案内した。その「眠い」という自己申告が偽りであることにも、何か企みがあることにも、全て気がついていた気がする。気がついていたのに、その気づきを無視して、寝室に招いてしまったのは、無意識下の何かが僕を唆したからだろうか。
でも、何もわからなかった。わかりたくなかった。
「意外。嫌がると思ったのに」
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