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    しもやけ

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    主にえむ・X(Twitter)百々秀

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    しもやけ

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    派生カプ:アサシン×シューターを初めて書きました。めっちゃ楽しかった!
    公式設定読んだけど、オタクの妄想強めの設定です。
    ※アサシンの喫煙描写あり

    #百々秀
    #アサシュー

    悪趣味/アサシュー※アサシンの喫煙描写あり。

    室内に漂う煙はまるで霧のように、うっすらとシューターの視界を曇らせる。
    自室の机に向かい、書類の整理に勤しんでいたシューターは、その独特の匂いと煙たさに眉をひそめる。右手に持っていたペンを机の上に置き、椅子の背もたれに背中を預けて天井を見上げ、小さくため息を吐く。
    執務中の集中力を削がれた上に、鼻につくこの匂いは、またアイツだ。
    デクスチェアを回転させて室内を見渡すと、ソファに体を預けて寝転がるような姿勢でくつろぎながら、呑気にタバコをふかしているアサシンの姿が目に入った。
    そんなアサシンの様子を見て、シューターの眉間の皺はさらに深くなる。

    シューターは椅子から立ち上がり、わざと足音を立ててソファの横まで歩いていく。
    普通の人間より聴覚が敏感なアサシンならすぐに気がつくはずなのに、相手がシューターだと分かっているからか、横目でちらりとこちらを見てから再び瞼を閉じた。
    その態度にシューターは余計に苛立ちを覚えた。

    「おい」
    急に上から降り注いできた明らかに不機嫌な低音にアサシンは口に咥えていたタバコを落としかけながら、急いで体を起こす。
    アサシンは急に何だといいたけな表情を見せるも、眉間に皺を寄せるシューターと目が合うと、驚いたような表情をして目をパチパチとさせながら数回瞬きをした。
    整った顔立ちが間抜けな表情をしていることに、シューターは少し笑いそうになりながらも、俺は怒ってるんだとアピールすべく、お得意のポーカーフェイスでやり過ごした。

    「俺がいるときは外で吸えって、前にも言ったよな?」
    今のシューターは、まるでシューター自身にパワーハラスメントをしてくるあの上官のような口調だった。シューターは鬱陶しい上官の顔を思い浮かべながら、自分も一緒ではないかと心の中で今の自分を嘲笑う。

    アサシンは「はぁい」と大人しく返事をし、ソファの横のローテーブルに置いてあったタバコの箱をポケットに乱雑に突っ込み、ソファから立ち上がる。

    シューターは、まったく、と小言を言いながら、室内の換気扇のスイッチを「強」に切り替える。
    再び椅子に座り直し、机に向き直る。卓上に散らばったままの書類を手に取ると、部屋を追い出したはずの男の気配を背後に感じた。シューターは書類を纏めていた手を止めて、また息をするように小さくため息を吐く。

    トキシックアサシン、戦場での彼はトリッキーな戦闘スタイルを得意とし、予測不能な行動をとる。行動が予測できない、その点は戦場以外の、日常のワンシーンの中でも同様であった。
    アサシンの考えていることは分からないし、予測がしにくい。それはアサシンの所属する部隊の部隊長であり、恋人でもあるシューターもまた同じだった。

    シューターはアサシンの監視役を任されていた。
    戦闘狂で度を超えたマイペース、基本的に自分の認めた相手の言うことしか聞かないアサシンには上官たちも手を焼いていた。
    アサシンがシューターの所属する部隊に異動させられたのは、1年ほど前のことだった。実力はあるが手の掛かる奴だとは噂には聞いていたが、実際のアサシンは想像以上だった。
    配属初日から雑魚しかいないなら興味はないと、召集を拒否しては、部隊長であるシューターを困らせた。監視目的という名目でアサシンと同室にされた当時のシューターは「最悪」という感情しかなかった。しかしながら、実際に生活を共にする中で、何が可笑しかったのか2人は体を重ねる関係にまで進展していった。

    「ねぇ、シューくん」
    名前を呼ばれ、背後から肩を叩かれる。なんだ、と手短に返して返事を待つ。
    「シューくん」
    シューターの問いに答えようとしないアサシンは再びその名前を呼びながら、首筋に手を当ててそっと撫でる。
    正直、シューターは椅子を回転して向き直るのもめんどくさかった。しかしながら、先ほどよりも甘ったるい声色と、首筋を撫でてくるアサシンの手つきが少しくすぐったくて、顔だけそのまま上に向けてやった。

    反省している様子がないのか、シューターの頭上で影を落としているアサシンは相変わらず火のついたタバコを咥えていた。

    「お前なぁ」
    いい加減にしろよ、とまた叱ろうと言葉を言いかけたとこをで、首の後ろに回されていたアサシンの手はシュータの喉元を撫でた。
    反射的にピクリと動いた喉仏は、言いかけた言葉をその動きと共に喉奥に飲み込んでしまう。

    喉元に添えられたアサシンの指はするりと喉仏を撫でながら、上へ上へと滑っていく。アサシンの手はシューターの顎を掴み、顔をもっとよく見せろと言わんばかりに上を向かせるように顔の動きを固定する。
    それと同時にアサシンもまたシュータの顔を覗き込むように前屈みになり、シューターに落とされる影はさらに濃くなった。

    こいつは何がしたいんだ、シューターはそんな事を考えながら、長いまつ毛に影を落とされ、より一層濃さを増したアサシンのピンク色の瞳を見つめ返す。

    アサシンは口元からタバコを離したかと思うと、あろうことかシューターは顔にタバコの煙をふぅーと吹きかけた。

    被害者となったシューターは咄嗟の出来事に対応することもできず、思い切り煙を吸い込んでしまい、ゲホゲホと盛大に咳き込む。

    咳き込みながらも「何をするんだ」と睨みつけるシューターの様子を、アサシンは再びタバコを咥えながら恍惚とした表情で眺めていた。

    マゼンダピンクの瞳は弧を描き、薄い唇の隙間からは白い歯がチラつく。

    「マーキング♡」

    はぁ、本当に悪趣味なやつだ。
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