花嫁の祝福 城の中も外も、喧騒で溢れている。
嫌なものではない。すべての人が祝福する日であり、誰もが喜びの笑みを浮かべている。
今日は、ライオスとマルシルの結婚式の日なのだ。
王が妃を迎える日、二人の愛を国民たちの前で約束する日。
国民たちは喜び騒いで国の安寧を願い宴をする。
ミスルンやパッタドル、他にも中央から数人が来賓として招かれている。
カブルーは数か月前から結婚式の準備に奔走していて、まともに会えていない。
屋敷へは戻らず、城で過ごすことが多いようだ。
結婚式当日も忙しいだろうから話せる機会はないだろう。恋人は国の中枢にいて、国家のために仕事をしている。そういう男だ。
ミスルンにとって正装をするのはひさしぶりだった。
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