「さて。参加者の皆、準備はよろしいかな?」
しかつめ顔でいかにも重要な作戦を始めるかのような雰囲気のコノエに対して、トラインは不安げな声を上げた。
「ほんとうにこんなことして大丈夫なんでしょうか?」
「おや、アーサーは私が信用出来ない?」
「いえいえいえ! とんでもないですっ。ほんとうに私たちから受け取ってもらえるのでしょうか……」
コノエが信用出来ないのではなく、どちらかと言うとターゲットに懸念がある。そんなトラインの心配を払拭するかのように、コノエは朗らかに告げる。
「なに、心配はいらないよ。本日に限り贈り主の手書きでの名前入の駄菓子を渡されたら拒否せず必ず受け取ること。と言い渡してあるからね。万が一に備えて受け取らざるを得ないよう保険もかけてあるから安心して行ってきなさい」
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