白骨は自由の縁に成り得るか「天竜人の骨?」
「そう。しかも呪われてるんですって」
補給のために立ち寄った冬島は、非合法な物ばかり扱う大きな市場が有名らしい。ログが貯まるまでの間は自由行動、くれぐれも妙な物は買わないように―――念の為の注意が効いたのか、ペンギンは怪しい露天商に見せられたアイテムに興味は湧いても買いはせずに帰ってきたようだった。
「持ってると不幸になるとか?」
ペンギンを挟んで反対側、シャチがカウンターにジョッキを置いて身を乗り出す。酒も進んでいるので顔が赤い。今日は2人で船に戻ると言っていたので、このまま潰れたらペンギンに持って帰らせよう。
「いや、なんでも不吉な預言をするらしい。骨って言ってもそのまま骨を売ってる訳じゃなくて、小さい箱に入ってて中身は見えないんだ。指の骨が入ってるそうだが、まあ怪しいもんだな」
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