HiMERUの誕生日 プレゼントでもらった本を読もうかと手を伸ばしかけたところでノックの音が聞こえた。同室の二人はそれぞれ仕事とサークルで今はいない。さて、誰だろうか。扉に向かいそこを開ければ立っていたのは天城だった。
「メルメルおはよ~って閉めンなよ」
閉めようとしていた扉が天城の手で止められる。寮の部屋にまで訪ねてくるとは珍しい。そう思ったが、やけに機嫌が良さそうなので変に絡まれるのも面倒だと見なかった振りをしたかったけれどそうもいかないらしい。このまま扉を挟んで攻防したところで部屋の前で騒がれる可能性の方が高い。ため息を一つ吐いて扉を開けた。
「……どうぞ」
「おっ邪魔しま~す! って、やっぱ部屋によって雰囲気も違うのなァ」
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