花月ゆき @yuki_bluesky 20↑(成人済み)。赤安大好き。アニメ放送日もしくは本誌発売日以降にネタバレすることがあります。 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 54
花月ゆきDONE赤安で復縁ネタです。全力でハッピーエンドです。「二人の人を同時に愛せるほど、僕は器用な性分じゃないので」黒の組織壊滅後。別組織の潜入捜査のため、標的の娘と交際することになり、あかいさんに別れを告げたふるやさん。三年後、あかいさんの目の前に現れたふるやさんは…※なんでも許せる方向け完璧で不器用なあの子 ――[[rb:彼 > か]]の日。赤井は降谷と別離した。 夕刻の時間。赤井は降谷に呼び出され、警察庁からそう遠くはない公園へと来ていた。 人はまばらで、自分たちの足音だけがやけに大きく響いて聞こえた。天を仰げば、夕陽の光も届かぬほど、空には雲が重く積み重なっている。 今にも雪が降りそうだと考えていると、視界に粉雪が散らつきはじめた。 外の世界は、息が白くなり、手もかじかむほどの寒さだ。コートのポケットに手を入れたかったが、それ以上に、降谷と手を繋ぎたい気持ちがあった。 降谷の手を見る。ニットでできた赤色の手袋が視界に入り、赤井は静かに微笑んだ。赤色が嫌いだと言っていた彼は、自分との交際がはじまると、その発言自体が嘘だったかのように赤色の物を身に着けるようになった。この色しか残っていなかったんですよ、と言い訳を重ねる彼が愛らしかった。 4283 花月ゆきMAIKING互いの心の声が聞こえるようになってしまった赤安の話。心の声で会話できる二人がいます。※なんでも許せる方向け選ばれた二人<1> 互いの心の声が聞こえるようになって、一週間が経つ。 赤井とふたりで実験を繰り返し、わかってきたこと。それは、相手に伝えたいと思ったときにだけ、自分の心の声が相手に届くということだ。 赤井はただおもしろそうに笑っていたが、降谷はまったくもって笑えなかった。降谷には、赤井に絶対知られてはならない感情があったからだ。 赤井に伝えたいと思ってしまったが最後、自分の秘かな想いは赤井に届いてしまう。降谷は慎重に自分の心を操らなければならなくなっていた。 しかし、不可思議なこの現象は、降谷にとって悪いことばかりではなかった。たとえば、自分たち以外の人間に話を聞かれたくない場合、意外にも重宝できたりする。 12910 花月ゆきMAIKING沖矢昴の姿で記憶喪失になってしまった赤井さんと一緒に住む安室さんの話※謎時間軸、なんでも許せる方向け※二人の話し方が敬語だったり砕けていたりするのは仕様ですあなたがあなたであるために<1> -降谷Side- 喫茶ポアロにコナンが飛び込んできたのは、ランチタイムのピークが過ぎた頃。小学生の子どもたちがすでに下校している時間だった。 「安室さん、大変なことが起きたんだ。すぐに僕と一緒に米花中央病院に来てくれない?」 息を切らしているコナンを見て、何かただならぬ事態が起きたのだとわかる。すぐに早退を申し出て、エプロンを脱ぎ捨て外へと飛び出した。 「いったい何が起きたんだい?」 愛車のRX-7に乗り込みながら、コナンに問う。助手席に座ったコナンがシートベルトを締めるのを見て、アクセルを踏み込んだ。 「実は、昴さんに変装していた赤井さんが事故に遭って……」 不意打ちで頭を撃ち抜かれたような衝撃。ハンドルを握りしめる手が震えぬよう、両手に力をこめる。 14278 花月ゆきDONEハム安とエフBIの合同作戦会議。あかいさんの前で「俺」って言っちゃうふるやさんが好き…あなたは特別なので 公安とFBIの合同作戦会議。会議室の前方には、パソコンの画面を映し出す大きなモニター。そこには、明日、組織の人間が違法取引を行うとされている埠頭の地図が映し出されている。 皆の視線は地図へ集まっているが、赤井だけはずっと降谷から視線を逸らせずにいた。 自分の視線に気づいているのだろう。降谷は逃れるように席を離れ、モニターの隣に並ぶように立つ。 「僕の掴んだ情報では、取引時刻は午後十時頃。この構造の建物は、夜は特に物音が響きやすい……人員の配置は、取引場所からある程度距離を置いた方が良いでしょう」 マイクを通していないのに、降谷の声は明瞭でよく響く。迷いひとつ感じられない声だ。彼の頭の中では、明日の作戦のプランもすでに出来上がっているのだろう。 1515 花月ゆきDONE恋人同士になったばかりの二人※なんでも許せる方向けシナリオ通りにはいかない<1> -降谷Side- 誰にも言えない、片想いをしている。 きっと、人生で最後の恋。そして、きっと、叶わない――そう思っていた。しかし、天は何を思ったのか自分の恋を叶えてくれた。 永遠に続くことはない、ほんのひとときの時間だろうけれど、自分が描いたシナリオは、恋を叶える男の物語へと変わっていった。 「あなたのことがずっと好きでした。その……恋愛的な意味で」 組織壊滅作戦の最中。生と死が隣り合わせている境地で、降谷は赤井に胸の内を打ち明けた。 密やかな心残りを吐露したことで、気持ちがそっと凪いでゆく。 死ぬつもりはさらさらないが、たとえこの作戦で命を落とすことになっても、後悔することはないだろう。墓場まで持っていくつもりだった想いだ。墓場にいく前に伝えたところで大差はない。 25581 花月ゆきMAIKING糸電話をする赤安が書きたい糸電話 赤井が降谷の愛らしい一面を見たのは、大雪が降った日の翌日のことだ。 朝の十時から予定されていた会議があったが、定刻通りの開始は困難となった。交通機関が大きく乱れたことにより、会議の参加者の多くがまだ到着できていないためだ。 日本警察とFBIの合同捜査会議。参加者は選りすぐりのメンバーとはいえ、少なくとも百人はいる。朝の十時前に着席できていたのは、そのほとんどが昨日から警察庁に泊まり込んでいる者たちだけで、予定されていた参加者の三割程度しか揃っていなかった。 開始時刻変更の放送が流れるのと同時に、会議室に揃っていたメンバーが席を立つ。変更後の時間は未定、追って通知する、と続けてアナウンスがあり、会議室の出口には順番待ちができはじめていた。 1066 12