5年ぶりの桜まつり。例年開催時期よりも開花が早くなり、まつり期間中には葉桜となり始めていたのだが、今年はどうにかライトアップ中も花が残っているようだ。
通りがざわめく金曜の夜、鯉登にはそれに気づくこともなく重たい足どりで恋人の待つ家へとむかっている。
前世からの因縁の相手である月島と出会った瞬間、2人は再び恋に落ちた。その日その場所ですれ違うことが定めであったか、視線が合ったその時に全てが始まり、そしてその後の全てが決まった。
吸い寄せられるように手を取り合った2人は周りの目も気にせず往来で互いの名前を呼び、溢れる涙が頰を濡らした……
のがもう3年も前のこと。
その翌日には鯉登のマンションで朝チュンを迎える嵐のような展開でもって今世の2人の関係は幕を開けた。
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