好奇心は蜂を動かす(蜂楽と潔と凛) 部屋に戻ると、ベッドの上で大の字になっている蜂楽が「おかえり〜♪」と声を掛けてきた。軽く返事をしてベッドに腰を下ろせば、うつ伏せになった蜂楽がごろんと左隣に転がってくる。じゃれつくようにヘッドロックを仕掛けると、きゃらきゃらと蜂楽から楽しそうな声があがり、つられて潔も笑う。
「潔! いーさーぎー! ギブギブ!」
「うるせー! いつもチョップしてくるお返しだ、こんにゃろ!」
ぺちぺちと潔の腕を叩き、両足をバタつかせていた蜂楽が、ふと動きを止める。すん、と鼻を鳴らし潔の腹、胸、首と順番に蜂楽の頭が移動し、離れてから首を傾げた。
「蜂楽……? 何かあった?」
「んーっと、」
内緒話をするように、潔の耳元に蜂楽は口を寄せる。
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