白いシーツの上に、生花を散らす。今日のパーティーで飾られていた生花。パーティーが終わった後、「これ、貰ってもいい?」って聞いたら、丁寧に包んで渡してくれた。簡易的な花束を抱えたまま、電車に乗り、シブヤの街を抜けて、僕の部屋へ辿り着いた。靴を脱いで、ベッドに向かって、一輪一輪、束の中から抜き出して、花をベッドの上に落としていく。規則性も、デザイン性も無い。たまたま手に取った花を、適当な位置に落としてゆく。無造作に置かれたお花も綺麗。花自体がきれいだから、こちらがデザイン性を加えなくとも、ある程度美しいものになる。乱数はそれを知っていた。
「わぁ、きれい」
この世に出て来たばかりの頃、人が花に囲まれて眠っているのを見た。白い花が多かった。箱の中に隙間なく詰め込まれて、その中心に人間が眠っていた。アマヤドが花を散らす。赤、青、黄、無造作に落ちたそれは、白い花の上に乗って、色濃く存在を示していた。
1455