「司波、飯食いに行くぞぉ」
そう言って、授業終了後すぐの少しだけ騒がしい一年E組の教室へと顔を出したのは、一年年上の先輩である、桐原であった。呼ばれた側である達也も、特別それを不思議とは思っていないのか、無言で頷きだけを返し、最愛の妹である深雪の作ったお弁当箱を手にした。
それに連れ添うようにして目の前の席に座るレオが立ち上がり、遅れて幹比古が達也たちの後を追った。
E組の生徒たちは、初めて見るその光景に目を丸くしたが、それを追求しようとはしなかった。いいや、そもそも聞ける相手がこの場にはいなかった。
そんな混沌が生まれてしまったE組を他所に、四人が目指したのは食堂である。
多くの生徒が短い休息時間を謳歌するために向かう場所。込み合っていて大人数では少し入りづらい場所ではあったが、先に席を確保しに来ていた沢木が四人を手招いた。
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