2nd scar 達也が正式に風紀委員へと配属され、数日。風紀委員会として最初の仕事となる部活勧誘週間がやってきた。この時期は、事実上フリーパスでCADの学内携行が許可されるため、無法地帯となる。
殴り合いなんて軽いもの。魔法の打ち合いなどざらにある。
だが、そんな状況を放置していい、という訳では勿論ない。風紀委員会はこの一週間、気を引き締めて鎮圧に取り掛からなくてはいけない。最も、出来ることならば魔法の打ち合いに発展する前に止めることこそがベストではあるが。
達也はそんなことを思いながら、経った今薙ぎ払った竹刀を見た。
竹刀の持ち主は、剣術部二年‐桐原武臣。達也が庇った生徒は、剣道部二年‐壬生紗耶香。同級生であるエリカの説明曰く、二人共に実力者であるという。
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