「隣空いてる?」
「……空いてるけど」
「良かった、知り合い誰もいなそうでさ」
「へえ」
「名前なんて言うの? あ、俺は柴島犾ね」
「……二条佐斗流」
「佐斗流かあ、その髪ってゴールドアッシュ? かっこいいね」
「分かんのか」
「うん。俺ももっと派手に染めたかったんだけど、このメッシュが限界でさ」
「……そのバナナみてえなやつ?」
「バナナじゃねえって! もうちょっと金になるはずだったんだよ」
「ブリーチしすぎたんじゃねえの? セルフ?」
「そう。自分でやってみたんだけどどんどん色落ちしてくんだよね」
「セルフじゃねえけど俺もだいぶ色落ちしてるわ」
「オレももっとがっつり染めたいな、佐斗流みたいにさ」
「ここってわりと校則緩いだろ? やればいいじゃん」
1981