二宮さん、恋愛経験値0!「おまえが知っている影浦のことを教えろ」
攻撃手一位並びに個人総合一位の狂犬のような男からようやく開放された迅を襲ったのは、射手一位、個人総合二位の男のそんな言葉だった。
「えっ。ヤダ」
取り繕うことも、悩むこともせず一蹴され二宮の眉間にシワが寄る。
「なんで」
「知りたいからに決まってるだろ」
「別に仲良くないんでしょ?」
「それは犬飼とだ」
「知りたきゃ他の人をあたりなよ。これから、帰ってお子様のご飯用意するんだから」
手を振ってその場から去ろうとするも、そんな彼の腕を二宮は逃がさないというように掴む。
「離せよ」
「報酬なら弾む」
「別に、あんたからもらいたいものはないし、話すつもりもないって」
と、勢いよく手を振り払って。
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