楽しい宴会 それは藍忘機に道侶が出来て初めての清談会のことだった。
彼が清談会に出席すると言うことも大変珍しいというのに、なんとその彼の道侶が同席するという話は仙門世家に轟かせることとなり、その日行われる雲夢は出席者でごった返していた。
ある者は好奇の目、あるものは畏怖の眼差し、あるものは怨嗟の視線、それらは全て彼、藍忘機の道侶に向けられた視線だった。
その為、盲点だった。
よもやあの雅正で品行方正の代名詞と呼べるような含光君が、宴の席で大乱闘を起こすことになろうとは。
1.
「誰だ!含光君に酒を飲ませた奴は!」
それは魏嬰が少しばかり宴の席を外していたところに起きた出来事であった。
宴の大広間の光景は、彼がほんの少し前に見た多くの仙師が酒を酌み交わす宴会の光景ではなく、ただの血なまぐさい闘技場であった。
2288