木ノ葉隠れの里がすっかり春を迎えて、ひと際のんびりと午前が過ぎたある日。シカマルは自分の席で昼食を簡単に済ませると、家から持って来た折りたたみ式の簡易な将棋盤セットを持って火影室へと向かった。
六代目火影であるカカシは、予定が無ければ大抵昼は火影室に居た。外に昼食を食べに行くにもこの時間だとどこも混むので、いつも時間をずらしている。
今日は予定も無ければ溜まっている仕事も無かった。それは朝の時点で確認済みだ。時間が空くとなにかとアカデミーの視察に行きたがるが、そのアカデミーも今は春休みで休校中であり、カカシと特別親しいイルカも今日は新米下忍の説明会で忙しい。
つまり、今日カカシは暇をしている。ついでに自分も今日は時間がある。良い機会だとシカマルは思った。
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