その後カカシがいのに会ったのは、アカデミーの卒業式があった翌週だった。卒業式に飾る花を火影名義で注文していた為、いのがその請求書を火影室に持って来たのだ。
彼女は火影室の隣にある事務室に最近なにかと出入りしていたようだが、カカシは火影室を空けることも多かったので顔を合わせたのは先月以来だった。その間何度か火影室を手伝いに来たイルカは、いのにあれこれ問い詰められて辟易していたようだ。
「こちらが請求書です。よろしくお願いします」
書類が山積みになっている書斎机の前に立ったいのは、店名の横に花のイラストが入った封筒をカカシに差し出した。請求書在中と朱書きされている。
「わざわざありがと……入学式も頼むね」
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