サムシングブルーを知りたくない同期とヒューゴさん。
何気ない昼休憩。
会社に戻る時間がたまたま早かっただけ。
「好きなんです」
「ああー…………」
居合わせてしまった。恐らく告白現場に。
関係ない私の心拍数がなぜか上がってしまっている。頬にも火照りを感じている気もするけれど、気のせいだと思う。
息をひそめることには慣れている。足音をさせないようにすり足で廊下の角に身を、そうすれば――
「いけない子な〜んだ」
だというのに、最悪ともいえるタイミングで悪戯好きの同期の声が耳元に届く。今日は少しばかり間が悪い日なのかもしれない。こんなに間が悪いことなんてあるのだろうか。
(間が悪いなんて当然よね。私……だもの)
義兄の励ましの言葉を自分を傷つけるために使ってしまった。本人がいないのに、なぜか義兄に申し訳なく思って息を吐く。
1404