Ground Control to Major JakeGround Control to Major Jake
「俺、軍辞めるわ」
飛ぶことが誰よりも何よりも好きなハングマンからボブがこの世で1番あり得ないであろうセリフを聞いたのは、5年前の事だった。
2人で囲む朝食の場であっけらかんにそんな事を言うものだから、ボブもピーナッツバターをたっぷりと塗って口に運ぶ途中だったトーストをべちゃりと皿に落としたのを良く覚えている。
35歳になり、階級も数年前に少佐に上がり、部下も増え部隊の中での教官としての役割が増えてきたハングマンの仕事は絶頂に思えた。そろそろ中佐への昇進も打診されている頃だったと思う。
もちろんボブの仕事も同じように少佐として責任ある立場になってきていて、正直に言えばお互いの仕事の環境としては文句のつけようの無い状態だった。
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