「ヴァンパイア・ロマネスク」 甘いよな? まあな という会話が聞こえて陸奥守は嫌な予感を抱えながら部屋を覗いた。
案の定そこにいたのは昔馴染みの脇差と同じ時代を「活きた」打刀だった。
何の話か聞かなくても解る。えずい話に決まっている。
しかも本刃達はそれを「えずい」と思っていないから質が悪い。
「こう、さ、滴るヤツとか」
「あー、解る…… サクッといった時のあれだろ」
「おー! 話が解るじゃねえか、それだそれ」
やめるんだ、そこでテンション上げるなその話を掘り下げるな……
「闇は味方」
「夜は最適」
なにに
キャッキャと盛り上がっていると思えばほのぼのなのにどうして。
「あ? なんだいたのかよ」
「お、混ざるか?」
いいえ結構です。手を振ったら打刀さんにはなんだ…… とガッカリされてしまった。
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