駄犬の朝餉 晴れた日の朝、窓際から差し込む日差しに目を覚ますと、すぐ横でサボが眠っていた。キラキラのきんぱつに、お綺麗な寝顔。昨日は一晩中、獣みてェな顔してたくせに。朝からなんだか癪にさわって、もぞもぞと反対側に寝返りを打つと、腹に腕を回された。
「おはよう、エース……」
耳元ですげェ柔らかい声で言われたもんだから、つい体が跳ねる。そのままきゅって抱き締められて、「なんでそっち向くんだ」って肩に額を擦り付けられた。
ふわふわの髪の毛が犬みてェで、無視して寝たフリをしてると「ねえ、おい、なあ、おきろよ」なんて、口うるさく呼んでくる。朝のサボは、とにかく甘えたでめんどくさい。学校じゃ王子様なんて言われてるくせに、今はすんすんと音まで出して、おれの首裏の匂いを嗅いでくる。
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