萎れた花にキスの雨のし、と後ろから肩に重みがかかる。直後に腹へ回ってきた腕により、とある人物が肩に顔を埋め抱きついてきたことを理解した。
「・・・んだよ」
「・・・さみぃ」
なんとなく察しつつ声をかけると、予想通りの回答が予想以上に小さな声で返ってきた。
なんてことないいつもの昼休み。この後の小テストがどうの自販機の新しいドリンクがどうの騒ぎ立つクラスの中、ただ一人様子のおかしい桜の姿にオレは眉を寄せた。
「・・・え!?桜さん大丈夫ですか!?」
「だいじょーぶだ」
「桜くん顔赤いよ?熱あるんじゃない?」
「あかくない。ねつない」
違和感に気がついた連中の問いかけに対し桜のなんとも雑な誤魔化しに呆れて溜息を零す。
熱い額を押し付けてきて何言ってやがるんだコイツは。
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