おそろいの襟 つい先ほど本丸に顕現したばかりの村雲は、松井からの強い視線を感じた。首元をジッと見つめられている気がする。
「えっ??何?松くん??俺の首に何かついてる?あ、これ?この首輪が気になるの?」
松井は何も言わずに静かに目を閉じて、首を横に振った。
「え、じゃあ何?なんかお腹痛くなってきた……」
口を噤む松井の代わりに、豊前がふたりの間に割って入った。
「雲の襟、俺達とおそろいなんだよな」
ほら、ここの黒いとこ。と、豊前は自分の襟を摘んでぴらぴらさせる。
「あ、本当だ。気づかなかった。ふたりも一緒なんだね。ジャケットと一緒で、江の制服みたいなもの?」
村雲は、自分を囲んで歓迎してくれている周りの江たちに視線を向けた。
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