最後の日「おい。バーボンはどこにいる。誰か知ってるか」
「今日は〇〇会の取引のために潜ってますぜ」
「そうか……奴が戻ってきたら、気を付けろ。荒れるぞ」
「兄貴、心配してやってるんですかい。そりゃあバーボンは、ライとデキてるとかデキてないとか言われてやしたが」
「んなことはどうでもいい。ライのこととなると逆上するあいつが面倒なだけだ」
「逆上ですかい?俺には、いつもより冷たく見えやすよ」
「ウォッカ。赤い星と青い星、どっちが熱いか知ってるか」
「え。あ、青い方……あー。そういうことですかい」
真っ赤になって怒っている時よりも、静かに青い目を光らせている時の方が、恐ろしい。裏切者としてライに始末されたスコッチの死以来、バーボンのライを見る目は、氷のように冷たい。
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