バレンタイン!「ジョシュア、忙しいのに呼び出してごめんな」
「ううん、クライヴからの呼び出しならいつだって歓迎だよ」
恥ずかしさを紛らわせるためから、宙に浮く手を握れば、クライヴのほんのり赤かった頬が更に赤くなる。
「えっと、それで今日バレンタインだろ?ジルがチョコを作るって言うから手伝ったんだけど、その、これ、ジョシュアの分」
相変わらず嘘が下手なクライヴは少しまごつきながらも恥ずかしそうに紙袋を差し出しながらそう言う。
ジルがチョコを作ったのはおそらく本当だろう。僕がジルなら兄さんの為に絶対作るから。ただ、あのジルがわざわざ「2人でジョシュアに贈りましょう」とは言わないだろう。だからきっとこれはおそらく、クライヴが僕にくれた物だと思う。付き合ってるんだから堂々と渡してもいいだろうに、可愛いなぁ。
682