「その5分だけ俺にください」
5min, just give me
5分後に会議があるんだ、というセリフはアンダーソン副司令官の代名詞だと言える程彼の口から頻回に聞いた言葉だった。実際、中央政府に来ると彼は忙しくしていたし、俺たちが派手に動けば動く程更に忙しくさせていたのも自覚はしている。つもり、だけれども。
「5分後に会議が……いや、治療があってね」
そう言われてストンと、あぁ今まで嘘をつかれていたのだと理解した。本当に会議だった事もあるだろう。全部が嘘だとは思わない。けれど、俺に輸血した後から生命維持装置がないと30分と生きられない言っていた。俺と話していた時間を考えれば、恐らく生命維持装置が必要になる前に俺を部屋から追い出したかった、生命維持装置を装着している所を見られたくなかったのだろう。
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