― サバ★フェス DAY2 深夜 ビーチ ―
昼間は観光客で賑わっているビーチも夜更けとなれば人気は無い。満点の星空とホテルの明かりが寄せては返す波を静かに照らすばかりだ。
「え、えーと、まーちゃん?こんな時間にこんなとこに呼び出して、どうしたの?」
「どうしても、どうしてもおっきー……いや、刑部姫に伝えたいことがあって」
刑部姫をここへ呼び出した張本人であるマスターの表情はどこか固く緊張しているが、それでいて瞳には強い意志が秘められている。
誰も居ない夜の浜辺、満点の星空、思いつめた表情のマスター……創作物にどっぷりと浸かりきっている刑部姫の脳が導き出した答えはたった一つだ。
―――ひと夏のアバンチュール。
1927