イス尋問『あいつ、全然話さないから通訳来るまで話し相手になりなさい』
アナグラの一室。
矢村カリンはそこへ歩く。
扉を開く。
天井のあかりがカリンを照らす。
紫の偵察上下ではなく、濃い灰色のシャツとカーキのズボンという地味な服装。
「よお!元気でやってるか?」
カリンは人懐っこく笑って椅子に座る。
眼前には両腕を拘束された、椅子に座っている男が一人。
「これ気になる?あ~GEやってんだけどこういうのも仕事なのよね。ど~考えたって、兵士不足だってのに馬鹿だよなあ人事って」
男は表情を変えない。
「何語か分かんねえのもあれだしな、レッスンといこうぜ」
カリンは男が座っていた椅子をサッカーのボールの様にかかとで蹴る。
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