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    other8e

    ジャンルよろずの腐。倉庫代わり。現在@8e1eにひきこもり中

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    MOURNING両片想い時計が夜の9時をまわった頃、玄関の扉を遠慮がちに叩く音が聞こえた。
    その音で先日壊れたイン夕ーフォンをそのままにしていたことを蘭丸は思い出す。
    ちょうど今はベースの練習もしておらず音の鳴る機器もつけてなかった。場合によっては居留守を使おうと動きを止め、外の物音に聞き耳を立てる。
    アイドルという肩書きの身分としてはいささかセキュリティーに難のある部屋に住んでいるため、静かにしていると外の物音がよく聞こえるのだ。それはもちろん反対に外からも聞こえるということだ。身じろぎせずに外の気配を探っている間も、コンコンという音は少し間を開けながら続いている。そして周囲を気にしてトーンを下げているのか、かすかだが人の声も聞こえた。
    こんな時間に誰だよと思うも、すぐにこんな時間にアポ無しで来る人物は一人しかいないと、蘭丸はソファから腰をあげ玄関へと向かう。
    扉の前まで来ると先程よりははっきり聞こえる声に思い浮かべた通りの相手ががいることが分かった。蘭丸はこれから起こるだろう迷惑事に対する意趣返しだと、知らぬふりでドアの外に向けて声をかける。
    「どちら様ですか」
    「良かったランランいるんだね。ぼくだよ、ぼ 7567

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    MOURNING恋愛感情じゃないと思ってる嶺二。
    まえにTwitterにあげたような気もするけどみつからなかったのでこちらに。
    ランランと過ごす時間は心地良いし、楽しい気持ちになるから好きだ。それは恋愛感情とは別だったけど、ランランから告白された時に居心地の良さを取りOKした。好きって言葉は便利だ。LikeでもLoveでも使えるから。
    「ぼくもランランのこと好きだよ」
    まさかぼくからそんな答えが返ってくるとは思っていなかったようで一瞬目を見開いた後、ほっとしたような、嬉しそうな、泣きそうな顔は幸せそうな笑みへと変わった。ぎゅっと抱きしめられれば、触れ合う部分はとても熱くて、ランランの高揚が伝わってきてなんだかぼくまで嬉しくなってしまった。
    こうしてぼくとランランのお付き合いが始まった。


     付き合う前からランランが結構スキンシップは嫌いじゃないし優しい男だというのは知っていたけど、交際を始めてからはよりいっそうそれを知ることになった。
    どちらかの部屋に遊びに行った時なんか、ソファじゃ隙間を空けずにぴたりとくっついて座ったり、たまに後ろから抱きかかえられることもあるし、膝の上に座らされたこともある。さすがに最後のはちょっと恥ずかしかったけど、ランランはとっても満足そうだった。
    寝る時は隣でくっついて眠るし、いっ 2025

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    MOURNING付き合って二年目になる二人🍒今日は久々にランランちにお泊まりだ。
    とはいえぼくは目を通しておきたい台本があって、ランランも今のうちに溜まった家事をしたいということで、時折会話をはさみつつも、それぞれ自分の作業をしていた。
    正直自宅の方が集中できるけど、少しでもランランのそばにいたいという恋心だ。

     一段落ついて顔をあげれば、すぐ近くの棚を掃除しているランランがなにやら機嫌よく鼻歌なんて歌っていた。
    ランランの好みからは離れていそうなこのポップな曲は。
    どういう心境?珍しいものを見てしまった。
    聞き耳をたてているのがバレないよう、台本に向かうふりをしながら聞いているうち、どうしてもあの合いの手をいれたくなっちゃう。しょうがないよこれは。
    「もういっかい!」
    タイミングを合わせて言えば、目を丸くしたランランがぼくを見る。何その表情。
    「何をだよ」
    「はい?」
    「は?」
    だめだぼくたちは今完全に話が噛み合ってない。
    「もう一回って言っただろ?」
    「へ?」
    どういうこと?そーゆう歌じゃなかったっけ?
    「ランラン、鼻歌で歌ってたじゃん。その歌聞いたら合いの手いれたくなるでしょ。むしろ絶対言うよね?」
    「おれ鼻歌なんて歌っ 2376

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    MOURNING覚えていない蘭丸「れぇじ」
    熱のこもった甘い声で直接耳に注ぎ込むように名前を呼ばれて思わず膝の上でぎゅっと指を握りしめてしまう。
    腰に手を回され引っ張られたと思ったら、ランランに抱っこされる形で座らされた。おなかには後ろから回されたランランの腕。シャツが少しめくれて、肌に直接触れる腕はとても熱い。

     酔っ払ったランランはたちが悪い。好きだともなんにも伝えてくれないのにこうやってぼくをドキドキさせるようなことをする。
    はじめてされた時はびっくりすると同時に嬉しくて泣きそうになってしまったのに、翌朝目覚めたらすっかり忘れてるものだから腹が立って蹴飛ばした。

     それなのに今日もまたランランにお酒をすすめて酔わせようとしている。10回に1回くらいの成功率。今日はどうかな。結構いい感じに飲んでるけど。隣に座るランランをちらりとのぞいて、トロンと朱に染まった目元に成功を確信する。
    「ランラン?」
    大丈夫?と言外に含めて名前を呼べば、ランランの視線がぼくに向かう。
    れぇじ。ひらがなだけにしか思えない舌ったらずな甘ったるい声でぼくを呼ぶ。
    「なあに?」
    ん、と両腕を広げるランランに誘われるままその腕の中におさまる 903