待ちに待ったハロウィンの日だ。だというのにマサの姿が見えない。まだ寝てるのかな?マサの眠る棺に近寄ると蓋は閉まったままだ。蓋をそっと開けると、すやすやと眠るマサの姿があった。
「マサ、まーさ、起きて。今日はハロウィンだよ」
声をかけても全然反応がない。躊躇したが少し身を乗り出して覗く。いつ見てもきれいな顔にドキドキする。白い肌にまつげの影が落ちているのがすごく色っぽくて、つい見とれてしまう。
「マサ?」
覗き込んだままもう一度声をかけてみると、視界の外から長い腕が伸びて来て服をぐっと引き寄せられた。バランスを崩して棺の中に倒れ込む。狭い棺の中、マサを押し潰さないように咄嗟に体勢を変えてマサの隣に落っこちた。片手を掴まれたままだからうまく受け身がとれなくて、かぶっているかぼちゃに頭を打ち付けたから少し痛い。
2030