「自惚れないで」暗黒大陸の調査を終えたアラジンは、煌帝国の王宮に向かった。
皇帝の政務室の扉を開けて、元気よく挨拶した。
「ただいま!紅玉おねえさん」
筆を持ったまま、彼女がニッコリ微笑む。
「おかえりなさい!アラジン。」
その言葉を聞いて、彼は温かい気持ちになった。
何度、このやり取りを繰り返したのだろう?
「何、ニヤニヤしてるのよぉ?変な子。」
「僕って、愛されてるなあ…って思って。」
「そうねぇ…貴方とは長い付き合いですもの。
だけど、愛と呼ぶのは大袈裟だわぁ」
「僕は紅玉おねえさんといると、楽しいよ。おねえさんも、そうなんだろう? それってさぁ、恋なんじゃないかなぁ?」
「自惚れないで下さる?それより
、調査のお話しを聞かせて頂戴」
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