オク&バデ 「手をつなぐ」オクジーとバデーニは2020年代の日本の首都東京で生活していた。
東京は坂が多い。
バデーニとオクジーが通う大学周辺には「坂」のついた地名が複数存在するほどだ。
どこまでも平坦な大地が広がる、ポーランドの古都出身のバデーニには東京の坂が堪えた。
「はぁ、…ひぃ、ふぅ…。」
バデーニが奇妙な溜め息を漏らしながら、坂を登っている。
その横を、二人分の荷物を背負ったオクジーが歩いていた。
「バデーニさん、大丈夫ですか?」
「…は?」
汗をだらだら流しながら、バデーニは答えた。
バデーニは前のめりになりながら、ポケットに手を入れて歩いていた。
そして、老婆の様に腰を曲げヨタヨタと歩いていた。
「坂が急で辛くないですか?」
そう言って、オクジーはバデーニに手を差し出した。
1920