初めて俺はもう人から愛され、必要とされることを諦めていた。俺が好きになった人は俺の事なんて見ていなくて。俺が必要とした人は俺の事なんか必要としてなくて。期待してがっかりするのはもう嫌なんだ。なのに、なのに…
生きていく上でなるべく欲を無くし、周りに求められた事をして、求められるような人になれるようにしていた。だけど何故か珍しく興味を持ったものがあったから挑戦してみて、そこで出会ったのがLuxiemの皆だった。初めてだったんだ、こんなに優しくされたのは。こんなに名前を呼んでくれたのは。こんなに心から笑えたのは。特にヴォックス。あいつは俺の“好き”に応えてくれた。好きな人の好きな人になれる事ってこんなに嬉しいんだな。
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