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    m__oji_

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    ntm/ななつと色々をたまに書いてる

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    MAIKING名夏のパラレルの続き

    これで話的には半分くらいまで来たかなくらい。六万字近く書いたのに更に六万書くってコト……?
    塔子さんがくれた着物は箱崎のカラーの!です!と思ってるんだけどあの花は椿と牡丹で合ってるのかやや不安

    2023/9/18
    遺失物取扱所-4(名夏) 隣で敷布にしっかりくるまった夏目がよく眠っている。
     着物の裾はしっかり掴まれたままだ。動くに動けず、触れないのだから振り解くこともできずに名取はただじっとしているだけだ。
     数日前から夏目は名取を掴んで昼寝をするようになって、掴んで来る手の近さにもすっかり慣れた。今も特に動じることもなく夏目の隣で借り物の書物を手にしている。
     とは言っても本の中身は頭に入らなくて、隣で眠る子供が吐き出す呼吸音を名取はじっと聞いていた。
     ずっと掴まれたままの裾からじわりと体温が移っている。人の幼子のように高い温度がすぐ近くに在った。触れることはないのに、今にも触れそうなほどひどく近い距離にいる。
     夏目との距離がひどく近くなっているように思う。名取にとっては分不相応にも思える距離が、それが正しいことなのかわからない。誰も見ていない二人だけの暮らしの中で、どんどん麻痺する感覚が間違っていないか何度も考えてしまう。
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    m__oji_

    MAIKING名夏のパラレル的なやつの続き

    何気にずっと忘れないで書いてるけど全然話は進んでないけど文字数だけは結構嵩んでる……
    今年中に終わって欲しいんだけど無理そうな気がして来た。がんばれ

    2023/8/6
    遺失物取扱所-3(名夏)「うわー山積み……」
     戸を開いた途端、げんなりを絵に描いたような顔をして夏目は肩を落とした。
     確かにこれだけ札や絵馬が積まれているのを見たのは名取も初めてだ。
     人の世の失せ物探しの末社と神域の末社を繋いだ社の中は、失せ物探しの願いが書かれた絵馬、札、手紙の類で溢れかえっていた。うわあーと夏目が呻いている間にも、天井からぽんと軽い音がして新しい絵馬が落ちてくる。
    「今日すごいね」
    「すごすぎます。なかなかない……」
    「何かあったのかな」
    「大社で夏の大祭があったから人がいっぱい来たんだと思います。でも、大祭の後でもこんなに多いのはなかなかないですね」
     大祭、の言葉にそうかと頷く。
     確かに大社では一昨日まで夏の大祭が行われており、人の世に下りた時の人出はなかなかのものだった。ただの人の観光客も多かったが、他所の社からの使いや神職も多く訪れており、神域にはどこからかやってきた見知らぬ神が数日滞在していた。人の世の大社の拝殿や社務所がいつになく人だらけでごった返していたのを思い出す。
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