アネモネプール花畑
そこは一面の花畑だった。
***
ヒューッ!
………ドパーン!!!
空気を切り裂いて空から飛来した物体が、大きな水飛沫を上げて湖に落ちた。
それまでさざめき一つなかった水面には、一斉に散ったその辺りに群生する花々の花弁が降り積もる。
「……大丈夫か?ベジータ」
豊かな黒の長髪を靡かせ、湖の真ん中に『降り立った』悟空は浮いたつま先の先にある水面を覗き込んだ。
(しまった……つい尻尾が出ちまった)
うっかり殺してしまわないよう、両手を使わない条件でベジータの「オレと戦え!」という可愛らしいお願いを承諾した悟空は、そこからずっと腕組みしたままだ。最初はヒラヒラと攻撃を避けれていたのだが、流石にいつまでもそれが通用する相手ではない。
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