1000年生きてる1000年生きてるパロ
「ねぇ大瀬さん、美術館とか興味ありません?」
ある日の昼下がり。冷蔵庫を漁りに行ったら後ろからいおくんに声をかけられた。いつもの「僕がご飯作るから!」みたいなグチグチを挟んでからの一言。まさかの美術館。いおくんの手には美術館のチケットのようなものが2つ握られていた。さっきからずっといおくんの手によってぴらぴら踊らされている。
「商店街のおばさんにもらったんですよ、いつもありがとねー、おうちの人と一緒に行きなー、って言われたからさ、ね?」
おそらくその人のの言った「おうちの人」というのは親御さんや兄弟のことを言っているのだろうが、この人は頑なにそうしようとしない。子供に絵の習い事をさせるなら美術系統に興味があってもおかしくないのではないか。商店街の人だってだってこんなクソ吉と行くなんて考えてないだろうに。
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